SFC修行1-4 NH885便 KUL-HND(Yクラス)

目次

【最終更新日】2018.02.10
【初回投稿日】2017.02.01

旅程

日付 1月29日(日)
航空会社 ANA
便名 NH886
クラス  Yクラス(エコノミークラス)
出発地 クアラルンプール
14:15(所定) 14:24(実際)
到着地 東京(羽田)
22:05(所定) 21:35(実際)
搭乗機 B787-8
JA835A
PP 2,503
備考  ユナイテッド航空との共同運航便(UA7906)
これまでの合計PP 8,360

クアラルンプール空港の特性

クアラルンプール空港は出発と到着が同一階層なので、折り返し便に乗るために一度外に出る必要がありません。シンガポールも同様で、これがシンガポールがトンボ帰りする修行僧に人気で、最近はクアラルンプールの人気が上がっている理由の1つです。国内では那覇空港が同様の構造をしていますね。

さらに、クアラルンプール空港では、各搭乗口にも保安検査場があります。一度入国してから出国する場合は、出国審査後に1回と搭乗口で1回の、計2回保安検査を受けることになります。そのため、搭乗口には他国よりも早めに行かないと、乗り遅れる場合があるので注意です。保安検査を受けた先には待合室があり、そこのベンチで搭乗開始を待つことになります。

なお、保安検査は国際線の一般的な基準で行われるため、たとえ免税店で購入したものでも、100mlを超える容器に入っている液体は持ち込めません。機内で飲むためのペットボトルドリンクを売店で購入する場合、店員に密閉式のビニール袋(ICAO様式のSecurity Tamper Evident Bag)に商品を入れてもらい、検査時に購入時のレシートを添付する必要があります。

「Could you pack this (these) for flight, please.」と言って入れてもらいました。手数料は1.1MYRでした。

搭乗口へ

搭乗口で保安検査を受けます。PCを鞄から出してトレーに載せ、上着を脱いで、(バックルが鳴る可能性のある方は)ベルトを外す。これは他の空港と変わりません。なお、日本のように向こう側に行ったトレーを係員が乗客の手元まで戻すということはないので、X線検査器の上に積み上げられたトレーを取るか、係員に言って渡してもらうしかありません。なお、鞄はトレーに載せませんでしたが、特に問題はありませんでした。

続いて金属探知機を通ったのですが、鳴ってしまいました。ベルトを外して金属は一切身に着けていないんですけど、ファスナーに反応したのでしょうか。だとしたら精度が高すぎます。

保安検査を抜けたら待合室の入口にいるANAの現地係員に搭乗券とパスポートを渡して、待合室の中に入ります。待合室の中は他の空港の出発ロビーと同じく、ベンチと搭乗カウンターがあり、カウンターの片方が優先搭乗レーン、もう片方がエコノミーレーンとなっています。

日本の空港と同様に、

ANAダイヤモンド
   ↓
ビジネスクラスプラチナSFCスターアライアンスゴールドメンバー
   ↓
エコノミー機内後方席
   ↓
エコノミー機内前方席

の順番で搭乗します。ダイヤモンドメンバーが数名いました。ほぼ全員がスーツだったので、出張でしょうか。修行僧らしき人物は見当たりませんでした。

ビジネスクラスやスタアラゴールド(ダイヤ除く)の人たちは、修行僧かもしれない人が何人か見受けられました。

エコノミーが呼ばれる前に待合室を見渡してみたのですが、ほとんどがマレー人でした。日本人があまりいません。聞こえてくる言語も、ほとんどが英語と聞いたことない言語(マレー語でしょうか)でした。

機内&離陸

非常口座席から見る機内

今回は事前に非常口座席(23K)を予約しておきました。この席は前の席がないので広々と使えますが、シートポケットが小さいこと(23Jと23Hは通常通りのシートポケットですが、非常口のドアの先にありベルト着用サイン点灯中は手が届きません)、窓がないこと、前の座席がないので離着時に荷物を手元に置けないことなどがデメリットです。

なお、非常口座席に座れる人は以下の基準があります(ANAの場合)。

  1. 満15歳以上の方
  2. お子様(国内線:満8歳未満、国際線:満12歳未満)をお連れでない方
  3. ご搭乗に際して付き添いの方や係員のお手伝いを必要としない方
  4. 緊急脱出時に同伴者の援助をする必要がない方
  5. 航空機ドアの開閉等、緊急脱出の援助を実施することができる方
  6. 脱出手順の案内及び乗務員の指示を理解し、他のお客さまへ口頭で伝えられる方
  7. 日本語または英語で会話できる方

おおむね他社でも同じ基準ですが、7については、「航空会社の国の言語(ANAなら日本語)か英語」となるため、外資系航空会社に乗る場合は注意が必要です。

搭乗後にCAさんが来て「ご搭乗ありがとうございます。こちらは非常口座席となりますので、ないとは思いますが〝万が一〟の場合は、私どもにご協力いただきますようお願いしますね」と言われました。続いて、隣の席にマレー人の老夫婦が来て、先ほど私が言われた内容を英語で言われていました。

しばらくして、飛行機が動き出しました。見た感じ、搭乗率は70%以上と言ったところでしょうか。

安全ビデオは

機内安全ビデオ

が流れました。

このあと、しばらくはANAにしか乗りませんから、このあと嫌と言うほど見ることになるビデオです。さらに羽田-クアラルンプール線にはプレエコなしのB787-8しか入らないので(2017年後期よりプレミアムエコノミー&ビジネススタッガード装着のB787-9に変わる予定です)、非常口の位置など内容も全く変わりません。

ベルト着用サインが点灯すると、CAさんが前のジャンプシート(CAさんの座席)に座りました。元CAさんの話などを聞くと、ジャンプシートの目の前の席――たとえば今回のB787-8なら23J――に座った客とCAの目が合って会話が弾み、そのままゴールインした人もいるとか、いないとか。私はその隣の席でしたが、やはりどこを見ればいいか悩みますね。普段なら窓側の外を見ていますが、今回は窓なし席ですから。実は座った状態だと、非常口の扉に付いている窓から外が少し見えるのですが、それに気づいたのは水平飛行に入ってからでした。

ハラール認証がされた霰餅

霰餅についているハラール認証のマーク

水平飛行に入ると、まずはおしぼり(ファミレスやコンビニ等で渡されるビニールに入った濡れた紙)、ペットボトル入りの水、ハラール認証がされた霰餅が配られました。

ハラール認証は、その工場等にイスラム教徒が2人以上勤めていないともらえないはずですし(イスラム教徒がいないのにハラール認証を持っている企業の信用失墜を防ぐため)、イスラム教の教えに従って祈りをささげないとハラールにならないので、この霰餅にもかなりの手間暇がかかっているのでしょうね。

続いて、ドリンクサービスが開始されました。さきほど非常口座席の説明をしたり、ジャンプシートに座ったり、霰餅をもってきてくれたりした方とは別のCAさんが担当してくれたのですが、「What would you like to drink, sir?」と聞かれました。おそらくマレー人夫婦が隣に座っているので、その息子だと思われたのだと思います。日本国内(旗国主義の観点から見るとANAの機内は日本国内です)に入っており、日本人CAさんしかいない状況で、頭の中がほぼ完全に日本語モードになっていたため、なんと私の口からは「はい?」という言葉が……。

CAさんからは、すぐに謝られました。対する私は、「すみません」と言ったことは覚えていますが、急に恥ずかしくなってしまい何のドリンクを注文したかすら覚えていません。恐らくアップルジュースだとは思いますが……。

▲機内食のメニュー

次に機内食(昼食)の配布が始まりました。すでに15時頃を回っていますが、このタイミングで昼食です。AとBが選べましたが、機内で食べる白米はあまり味がしないことがわかっていたのと、CAさんが「Bがおすすめでございます」と言ったので、Bを選択しました。

機内食。洋食(B)を選択

蕎麦はメニュー表とは異なり、茶色い麺でした。また、サラダの中にリンゴが入っていて、リンゴの甘さとマヨネーズの酸味が合わさってよくわからなかったです。

ペンネ

ペンネは地上で食べるのと同じく、おいしかったです。ところで、食べる前におしぼりがもらえなかったんですけど、どうやら霰餅を配った時のものを使えというスタンスのようです。数日後に乗ったクアラルンプールに向かう便でも同じでしたし。

食事が終わるとコーヒーと紅茶を聞かれましたが、そういう気分でなかったのでパスしました。暇なのでPCで何か見ようと思いましたが、頭上の荷物入れに入れているので取り出しずらいことや、エコノミー席が狭いことなどを考えて、やめました。

『君の名は。』

シートモニターや機内誌の『翼の王国』を出して、何があるのか見てみました。こちらも『君の名は。』が搭載されていましたが、流石に2日間で3回目はキツいので、やめました。なお、『シン・ゴジラ』はありませんでした。

映画のタイトルを色々と見ていくと、『四月は君の嘘』(実写版)があったので見てみました。実写化特有の薄っぺらさがありましたが、とりあえず全て見ました。そのあとは税関書類(「携行品・別送品申告書」)を記入し、寝ました。

ツナサンド

しばらく寝たところで、CAさんがギャレーで何かの準備をしている気配がしました。

「こちらツナサンドでございます」とCAさんが渡してくれたのは、軽食(ツナサンド)でした。個人的には、機内食は日本時間15時半に出される昼食ではなく、夕食を提供すると時間的に丁度いいと思うのですが、なぜかこの時間は軽食の提供です。

着陸/入(帰)国審査&税関

定刻よりも30分近く早く着陸態勢に入りました。着陸時にもジャンプシートにCAさんが座りますが、やはり離陸時同様、視線をどこに向けたらいいかで悩みました。昼で外が見えた離陸とは異なり(窓なし席ですが、前述の通り、非常口の扉にある窓から外が少し見えることに気づきました)、着陸は夜なので何も見えませんから……。結局、目を瞑ることで解決しました。iPodで音楽を聴こうと思ったのですが、イヤホンで耳が塞がれることにより気圧の差が大きくなり、普段の着陸時よりも耳に違和感を覚えたのでやめました。

着陸も30分早い21:35でした。着陸後はPBBで到着階へ向かい、検疫→入(帰)国審査場→税関と進みます。

検疫ブースを通過したら、羽田空港の場合、日本人は右に、外国人は左に進みます。自動化ゲートを使うつもりでしたが、「日本人は右へ」の表示を見て右に進んでしまったため、左にある外国人の入国審査場の更に奥にある自動化ゲートには気づかず、有人ブースを使うことになってしまいました。とはいえ、この時間の入国審査場は混んでいないので、待ち時間0で通ることができました。

国際慣習法上、自国民を帰国させないことは基本的にありえませんから、パスポートにマレーシアの入国スタンプがないことは、特に怪しまれませんでした。法務省が記録しているのは、あくまでも日本を出国した日時と空港名日本に帰国した日時と空港名[1]なので、その人が日本にいない間にどこの国に行って、何をしていたかは関係ないということでしょう。まあ、香港など出入国スタンプを廃止している国に行ってきたのかもしれませんし。

帰国審査で怪しまれなかったことに安心していた私は、税関へと歩を進めました。税関の「携帯品・別送品申告書」は家族で1枚でいいので、家族旅行の時は代表して母が提出していましたし、留学から帰国したときは、留学の手配をお願いした代理店の担当者の帰国日が偶然同じで一緒に通った(家族ではないので申告書は別々に出す必要がありましたが)ため、私の頭の中にある税関は「素通りするもの」というイメージでした。

税関の係員に申告書とパスポートを出しました。今までであれば、係員がパスポートの中を見ることなく返却されてきたのですが、この日の係員はパスポートをペラペラめくり始め、日本の出国スタンプと入国スタンプは見つけたものの、マレーシアの入国スタンプがないことに気付き、顔が強張りました。そして、「出発地はクアラルンプールなんですよね?スタンプないですけど」と。

私はすかさず、帰国審査で怪しまれることを想定して用意していた「航空会社の上級会員になるために飛行機に乗ってきただけなので、マレーシアには入国していません」と返しました。すると、ただ強張っていただけの係員の顔が「俺の目の前の奴は麻薬の運び屋かも」という疑いと驚きの顔に代わりました。そして、「どうぞこちらへ」と言われ、その場でボディーチェック&荷物検査です。

まあ、私は本当に飛行機に乗ってきただけなので何も出ないわけでして、「すみませんね」と言われて解放されました。この税関を何人もの修行僧が通っていて、その中には入国しないSINタッチやKULタッチをした人が何人もいただろうに、なんで私がこんな目に……。「あと3回は同じことやるんですけど、もしかして毎回チェックを受けるんですか?」と聞いてみましたが、「いえ、これはあくまでもランダムですから」との回答。ランダムだったら急に顔を強張らせたりはしないでしょ……マニュアル通りの回答といったところでしょうか。

様々な方のブログを読むと、「税関で全裸にされた」(いわゆる〝別室送り〟)という話が出てくることがありますが、私は別室に拘束されなかっただけマシかなと思います。ネットの情報なのでどこまで本当かはわかりませんし、中には日本の税関ではないものも多くありますが、男性なら「お尻の穴まで見られた」とか、女性なら「自分で性器を広げさせられた」とか書いてありましたから、そんなことが本当に行われているとしたら、心の傷は一生癒えないこと間違いなしです。

その後

今後の修行への不安(特に3月には、羽田から出国して、そのまま同じ飛行機で成田へ帰国という日程があるのです)を抱えつつ、京急の駅に向かいました。翌日は沖縄(那覇)往復の予定で、羽田‐沖縄に関しては始発でも間に合わない時間帯なので、1月29日にも泊まった「シーサイドイン大森」に前泊しました。

始発で間に合う時間帯の便に乗ればいいのですが、実は沖縄から帰ってきたらバイトに直行する予定なので、より長い睡眠時間を確保したかったのです。家まで帰って、羽田まで戻ってくる時間がもったいないですから……。それに、もらえるバイト代と、泊まる場合の宿泊費、家まで帰った場合の交通費などを比較した結果、ポイントを使って宿泊できれば宿泊した方がいいという結果になったので。

夕飯を食べようにも

大森海岸駅で降りたはいいのですが、駅前にコンビニがあるだけで、牛丼屋も気軽に入れるラーメン屋も、ファミレスもありませんでした。並行する京浜東北線の大森駅の方が栄えていますし、2駅の中間地点のオフィスビルにテナントとしてレストランが入っている(なお、私が行った22時半には閉店していました)ので、あえて飲食店を作る必要がないのだと思われます。

仕方がないので大森駅まで歩いて「松屋」に行きましたが、駅前のコンビニで弁当を購入してホテルで食べた方がいいな、と思いました。

まとめ

初めての日系航空会社の国際線でしたが、やはり機内食には不満が残りました。なんで蕎麦なのか分からないですし、提供される時間も微妙です。

次回の税関通過への不安が残った旅でもありました。マレーシアに入国してしまうという手もあるのですが、万が一にもマレーシア側に日帰りで入国・出国することを怪しまれて拘束された場合、日本の税関に怪しまれるよりもリスクがあるので、次回も入国しない予定です。

脚注

[1]航空会社から情報提供があった場合は、当該便の便名と出発空港が記録される。情報開示(リンク工事中)をしてみると、基本的には記録されているようである。

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