目次
【初回投稿日】2016.11.21
航空会社には上級会員制度がある
航空会社には、上級会員制度があります。自社便を頻繁に利用する客を優遇するもので、皆さんも飛行機に乗ったときに搭乗口で優先搭乗をしている上級会員を目にしたことがあると思います。
上級会員になると、
- 専用のチェックインカウンターや保安検査場が提供され、並ばなくてよい
- 満席時の空席待ちで優先的して扱ってもらえる
- 荷物の預け入れ制限が緩和される
- 国際線搭乗時、空席があれば上位クラスにアップグレートされることがある
- 搭乗まで航空会社のラウンジ(カードラウンジとは異なります!)で寛げる
- 優先的に搭乗でき、荷物入れの奪い合いにならない
- 預け入れた荷物が優先的に出てくる
- ボーナスマイルが加算される
などのサービスを享受することができます。

羽田空港のANAラウンジで撮影。国際線の搭乗前にこれが食べ放題!
上級会員になる方法
前述のとおり、上級会員とは、自社便を頻繁に使う人を優遇するサービスです。ある航空会社の上級会員になりたいと思ったら、その航空会社に頻繁に搭乗すればいいのです。
日本の航空会社(ANAとJAL)の場合、飛行機に搭乗すると、いわゆる「マイル」とは別に、上級会員の判定のみに使用するポイントが溜まります。
このポイントを、ANAではプレミアムポイント(PP)といい、JALではフライオンポイント(FOP)と呼びます。
これらのポイントを貯めることで、上級会員の資格を得ることができます。なお、上記のサービスを全て享受するには、最低でも50,000ポイント貯める必要があります。
でも、期間は1年間
マイルの有効期間は3年間(一部例外あり)ですが、PPやFOPは歴年(1月~12月)単位で計算され、翌年には0になってしまいます。
さらに、飛行機に頻繁に搭乗して上級会員になっても、その資格は翌年1年度間のみ有効で、翌々年3月には平会員に戻ってしまいます。
解決策はSFCやJGC
そう聞くと、余程お金と時間が余っている人か、会社の経費で飛行機に乗る「出張族」しか上級会員を維持できないと思いませんか?
実は、ANAには「SFC」が、JALには「JGC」という裏ワザがあるのです。
SFCやJGCとは何か?
SFC
SFCとは、「Super Flyers Card」の略です。「プラチナ会員[1]」または「ダイヤモンド会員[2]」のみ[3]が申し込めるクレジットカードで、1度持ってしまえば半永久的に(この制度がなくならない限り)、ANAの上級会員を維持できます。
さらにSFCは、ANAが所属しているスターアライアンス[4]のゴールドメンバーの資格が与えられるので、スターアライアンスに所属している他社便を利用する場合も同様に優遇されます(※プラチナとダイヤモンドにもスターアライアンスゴールドが与えれています)。
優遇されるマイルなどに多少の差はありますが、享受できるサービスはプラチナとほとんど変わりません。つまり、半永久的にプラチナでいられるのと、ほぼ同義なのです。
JGC
SFCとは、「JAL Global Club」の略です。「JMBサファイア会員[5]」以上の資格を持った会員のみが入会できる会員組織で、指定されたクレジットカードでを1度持ってしまえば半永久的に(この制度がなくならない限り)、JALの上級会員を維持できます。
さらにJGCは、JALが所属しているワンワールド[6]のサファイアの資格が与えられるので、ワンワールドに所属している他社便を利用する場合も同様に優遇されます(※JMBサファイアにもワンワールドのサファイアが、ダイヤモンドはワンワールドエメラルドが与えれています)。
優遇されるマイルなどに多少の差はありますが、享受できるサービスはサファイアとほとんど変わりません。つまり、半永久的にサファイアでいられるのと、ほぼ同義なのです。
上級会員修行とは何か?
上級会員修行とは、上級会員を目指して1年間でPPまたはFOPを規定値まで貯めようとする行為のことです。また、その行為者を「修行僧」と呼びます。
また、
- ANAの上級会員を目指す修行を「SFC修行」、行為者を「SFC修行僧」
- JALの上級会員を目指す修行を「JGC修行」、行為者を「JGC修行僧」
といいます
飛行機には乗る必要がある。莫大な金がかかる。でも、1度だけ
SFCはプラチナまたはダイヤモンド会員のみが申し込めるクレジットカードですから、最低でもプラチナにならなければ手にすることができません。
また同じく、JGCはサファイア会員以上が入会できる会員組織ですから、最低でもサファイアにならなければ入会することができません。
どのくらい飛行機に乗るとプラチナ(サファイア)の基準である50,000PP(FOP)が貯まるのでしょうか。試しに、ANAで検証してみましょう。
東京近郊に住んでいる羽田空港利用者が、長距離路線を選んで効率的に飛行機に乗るとすると、羽田‐那覇が候補に挙がります(便数が多くて時間に融通が利きます)。その羽田‐那覇を「旅割75」という運賃で往復すると、2,592PPが貯まるのですが、50,000÷2,592=16.9となり、17往復する必要があるとわかります。片道に直せば34回です。
とある日の羽田‐那覇の旅割75は、一番安い時間帯で約13,000円で売られていました。この運賃で34回乗ると、13,000×34=44,2000円です。もちろん、34回全てが一番安い時間帯の便を予約できるとも限りませんし、さらに現地滞在費や交通費がかかりますから、50万円は軽く超えてしまうでしょう。
そのためには、例えば羽田-那覇をANAの普通席(エコノミー)で往復するとして、34往復する必要があります。他の経路を選んでも、50万円くらいかかります。こればかりは仕方がありません。
でも、一度だけです。上級会員になってクレジットカードを手にしてしまえば、その制度がなくならない限りは上級会員として優遇されるのです!
まとめ
そんな莫大の金がかかる修行を、私はやりきりました。皆さんにも是非とも航空会社の上級会員になっていただきたく、ここにその記録を綴ります。
コメントを残す